不動産は隣人とのトラブルが起こりやすく、管理が難しい財産です。不動産管理で問題が起こってしまうと、専門的な観点からの解決が必要となるでしょう。そのため、専門的なサポートができる事務所に相談することが大切です。ただ、不動産に関する相談をどこにしていいのか、どの専門家を選ぶのがいいのかわからないという人も多いようです。そこで、不動産管理における相談先の選び方について紹介します。

 

不動産管理は土地家屋調査士に相談

不動産管理を相談する際には、土地家屋調査士のいる測量事務所を選ぶのがいいでしょう。なぜなら、土地家屋調査士は不動産登記のプロフェッショナルだからです。土地家屋調査士のいる測量事務所であれば、測量から調査、登記までが可能ですので、安心して不動産の所有や維持管理、取引ができます。不動産では相続した土地の境界線がわからないといった問題が起こることも多いでしょう。また、自宅を新築にする際や、塀の作り直しなどの際には、境界線をめぐって隣家とトラブルになりやすいといえます。そういった不動産に関する問題を土地家屋調査士に相談すると、境界線の調査から登記まで、一連の流れをすべて任せられて安心です。

 

経験は豊富であるかをチェックしよう

不動産管理について相談できる土地家屋調査士ですが、どの事務所に相談してもスムーズに問題が解決できるとはいいきれません。なぜなら、土地家屋調査士によって知識や経験値が大きく違うからです。不動産管理に関する相談は多岐にわたり、建物の種類や状況など、さまざまな観点から解決策を見極めていく必要があります。これらの判断に非常に重要となるのが経験であり、経験がない事務所に依頼することで思い通りに解決しないこともあるでしょう。また、費用だけを無駄に請求され、解決には至らないといった事務所もみられます。そういった理由から、事務所選びは非常に重要です。費用が安いことをウリにしている事務所もみられますが、費用が安いだけで相談してしまうと損をしてしまう可能性もあります。

 

専門家が一緒に業務をおこなっているかをチェック

不動産管理で重要となる登記は土地家屋調査士だけが行う仕事ではありません。登記ができる専門家には司法書士も含まれ、それぞれに行える登記の種類は異なります。いいかえると、土地家屋調査士しか行えない登記と、司法書士にしかできない登記があるのです。表示の登記が行えるのは土地家屋調査士のみであり、権利の登記は司法書士にしかできません。例を挙げると、家を増築した際の登記は土地家屋調査士のみが行えます。しかし、新築にする際には表示の登記と権利の登記の両方が必要ですので、土地家屋調査士と司法書士の両方へ依頼しなければいけません。

それぞれのケースで必要となる専門家は異なりますので、相談の際には土地家屋調査士事務所なら司法書士と、司法書士事務所であれば土地家屋調査士と提携しているような事務所を選ぶと安心です。また、個々の専門家に依頼する場合と比べると一から探す手間が少なくなり、リスクも抑えることができるでしょう。そのため、専門家が一緒に業務を行っているかを確認することは相談先の選び方の重要なポイントでもあります。

 

そのほかにチェックしておきたい点

測量事務所を選ぶ際には、報酬についてしっかりした説明が受けられることもポイントです。かかる費用を曖昧にする事務所の場合には、すべてが終了した際に追加で料金を請求されることも考えられるでしょう。結果的に料金が高くなってしまうことがないよう、事前に料金を明確にしておくことが大切です。また、フットワークが軽い事務所であれば、充実したサポートが受けやすいといえます。相談したいことがたくさんある場合には、積極的に相談に乗ってくれる事務所であれば安心でしょう。すぐに相談できる距離にある事務所を選ぶと、ストレスの軽減にもつながります。さらに、レスポンスの速さも重要です。メールの返信はすぐに帰ってくるのか、電話はつながりやすいのかといった点もチェックしておくことで、信頼できる事務所かどうかが見極められます。

そのほかにも、親切で丁寧な対応をしてくれるかといった点にも注目しましょう、登記は新築だけでなく相続などの際にも行う機会があります。土地家屋調査士に何度も依頼するケースはめずらしくないことから、長く付き合える事務所を選ぶのがいいでしょう。これらのポイントをしっかりとおさえ、いくつかの測量事務所をリストアップしておくことも大切です。それに加えて、自分がどのようなサポートを必要としているかの洗い出しもしておきます。それらをふまえ、それぞれの測量事務所にヒアリングを行いましょう。そうすることで、自分が求める測量事務所が見つかります。

 

選び方を知って不動産管理のサポートを上手に相談しよう

不動産管理は、相談先の選び方が非常に重要です。どのようなサポートが受けられるのか、専門家が相談に乗ってくれるのかといった点をしっかりと確認して事務所を選びましょう。また、いくつかの事務所をリストアップし、比べてみるのも重要なポイントです。そうすることで、自分にぴったりの不動産管理ができる相談先がみつかります。